AIとの会話は、終わったあとが面白い
― Alexが話した英語を、もう一度読んでみる
最近、BEPRO PLUSの中の機能のひとつ、AI(ChatGPT)を使った短い英会話に、僕自身がちょっとハマっています。
考えてみれば、僕は10年以上、あの「緑色」で知られるマンツーマン英会話スクールにBEPROの教材を提供してきました。
当時、教材担当の方と話していて、とても意気投合したことがあります。
それは、
「英会話では、何を話すかがとても大事ですよね」
ということでした。
英語を話す練習、と言うと、つい「正しい文法で話さなければ」「もっと単語を覚えなければ」と考えてしまいます。
でも、その前に、
自分が話したいことがあるか。
これが案外、大切なのではないでしょうか。
毎日ひとつの記事を読み、そのトピックについて実際に英語で話してみる。
僕は、これほど実践的な英語訓練の機会は、なかなかないのではないかと思っています。
スポーツの世界でも、将棋の世界でも、今ではAIをいわば「相棒」にしながら、人間の能力を伸ばしていく仕組みが当たり前になってきました。
BEPRO PLUSにも、少しその発想を取り入れています。
記事を読む。
読んだ内容について考える。
そして、実際に声を出して話してみる。
読めなければ、なかなか話せない。
でも、読むだけでも話せるようにはならない。
だから最後に、自分の口から英語を出してみる。
ここまでやって、ようやく英語が「自分のもの」に少し近づいてくるのかもしれません。
Alexは、けっこう難しいことを聞いてくる
さて、そのAI Conversationの相手がAlexです。
実際にやっている方は感じていると思いますが、このAlex、けっこう難しい質問を投げかけてきます。
「どう思う?」
だけでは終わりません。
「なぜそう思う?」
「それなら、どちらを優先する?」
「もし明日から始めるなら、何をする?」
そんなふうに、一段ずつこちらの考えを深掘りしてきます。
僕も時々、
「ちょっと待ってくれ、Alex。それ、日本語でも答えるの難しいぞ」
と思います(笑)。
でも、それもまた実践なのでしょう。
会話が終わったあとに「REPORT」
最近、ひとつ気がつきました。
Alexとの会話が終わったあと、入力欄にただ
REPORT
と打ち込みます。
すると、その日の会話について、Alexがコーチングレポートを作ってくれます。
自分が何を伝えられたのか。
どこがよかったのか。
次回、何をひとつ意識するとさらに伝わりやすくなるのか。
ここまでは、BEPRO PLUS AI Conversationを使っている方ならご存じかもしれません。
でも僕は、そのあとに、さらにこんなお願いをしてみました。
Can you translate what Alex said into Japanese and show me the English and Japanese side by side?
「Alexが話した内容を日本語に訳して、英語と日本語を左右に並べて見せてくれる?」
という意味です。
するとAlexは嫌がることもなく――まあ、当たり前ですが(笑)――きれいにまとめてくれました。
Alexが実際に使った英語を見直してみる
| Alex’s English | 日本語訳 |
|---|---|
| Hey, yeah, I’m right here with you. What’s on your mind? | やあ、うん、ここにいるよ。どうしたの? |
| Right. I’m here and ready. What’s on your mind? | うん、ここにいるし準備できているよ。何について話したい? |
| Hmm. Well, how about that piece on an artist tracking 12 million images? Wanna start there? | そうだね。1,200万枚の画像を追跡するアーティストについての記事はどう? そこから始めようか? |
| Well, with just what grabbed you first? What stuck out most? | まずは、最初に何が一番気になった? 何が一番印象に残った? |
| Let me check that quickly. So, yeah, I’d heard about it and was honestly pretty surprised. | ちょっと確認してみるね。うん、その話は聞いたことがあって、正直かなり驚いたよ。 |
| He apologized and even helped build a tool for artists to track where their work shows up. | 彼は謝罪しただけでなく、アーティストが自分の作品がどこに現れているかを追跡できるツール作りまで手伝ったんだ。 |
| What about it threw you most? | その中で、一番驚いたのはどんな点? |
| I hear you. | 言いたいことは分かるよ。 |
| Yeah, I hear you. It’s not something you see every day. Do you think that kind of restorative approach actually builds more trust, or is it just too risky? | うん、分かるよ。こういうことは滅多にないよね。こうした「関係を修復するようなアプローチ」は、実際により大きな信頼につながると思う? それとも、やっぱりリスクが高すぎると思う? |
| So, traceability feels like the safety net for you. | つまり、あなたにとっては「追跡できること」が安全網のような役割を果たすわけだね。 |
| What would Cara need to keep an eye on so that trust stays solid? | その信頼関係をしっかり保つために、Caraは何を監視しておく必要があると思う? |
| Like, what do you feel is more crucial here? Watching the person, or tightening the system? | つまり、ここではどちらがより重要だと思う? その人物を監視すること? それともシステムをより厳しくすること? |
| Yeah, a belt and suspenders kind of setup. | そうだね。「念には念を入れる」ような仕組みだね。 |
| If you had to start tomorrow, which quick step would move the needle most? A transparent audit log, or a clear role split? Or something else? | もし明日から始めなければならないとしたら、最も効果がありそうな手っ取り早い一歩は何だと思う? 透明性のある監査記録? それとも明確な役割分担? あるいは何か別の方法? |
| Totally. Draw the lines first, then layer the tooling. | まったくその通り。まず役割や境界を明確にして、そのあとで必要なツールや仕組みを加えていくんだね。 |
| Want to sketch what that role split could look like in one sentence? | その役割分担がどんな形になるか、一文で簡単に言ってみる? |
| Yeah, just put the role split briefly. | うん、役割分担を簡潔に言ってみて。 |
| Like who does what, one line. Super tight. | 例えば「誰が何をするか」を一行で。ごく簡潔にね。 |
| That’s a solid start. And for him maybe focus on building the tracking tool, but under those guardrails, yeah? | いいスタートだね。そして彼のほうは、そのルールや制約の範囲内で、追跡ツールの開発に集中する、という感じかな? |
| I feel it’s bold, but potentially smart. | 大胆な判断だけど、うまくいけば賢いやり方だと思うよ。 |
| If they keep transparency real and the boundaries firm. Trust, but structure first. | ただし、透明性をきちんと保って、境界線やルールを明確にしておくことが条件だね。信頼はする。でもまず仕組みを整えることが大切だと思う。 |
| Absolutely, I really enjoyed it. Loved how you weighed both sides. Thanks for the chat, Matt. Have a great day. | もちろん。とても楽しかったよ。両方の側面を考えながら話していたところがよかった。話してくれてありがとう、Matt。よい一日を。 |
こうして改めて読んでみると、面白いことに気づきます。
自分が話した英語だけが教材なのではない。
Alexが返してきた英語も、そのまま、とてもいい教材なのです。
たとえば、
What stuck out most?
I hear you.
move the needle
a belt and suspenders kind of setup
Draw the lines first.
こういう表現は、教科書で「今日の熟語」として覚えるより、実際の会話の中で出会ったほうがずっと記憶に残ります。
「ああ、あのときAlexがこう言っていたな」
という、小さな体験と結びつくからでしょう。
AIを先生ではなく「相棒」にしてみる
僕は、AIを完璧な英語の先生として使う必要はないと思っています。
むしろ、
自分の考えをぶつける相手。
少し難しい質問を返してくる相手。
そして、会話が終わったあとに、自分では気づかなかった英語を見せてくれる相手。
そんな「相棒」として使うほうが、僕にはしっくりきます。
会話そのものは3分程度です。
でも、その3分の中には、自分が話した英語だけでなく、相手が使った生きた英語も残っています。
だったら、会話が終わったところで終わりにしてしまうのは、少しもったいない。
話す。振り返る。そして相手の英語をもう一度読む。
AI英会話は、もしかすると「話している3分」よりも、その後の数分に、もうひとつ大きな学習機会が隠れているのかもしれません。
僕もまだまだ英語訓練中です。
だから今日も、Alexを相手に、ちょっと困りながら話してみます。
それくらいが、ちょうどいいのかもしれません。
※AIとの会話内容や日本語訳は、その日の実際のセッションをもとに掲載しています。日本語訳は文脈に合わせて自然な表現にしています。
※僕ノートなので、ここでは「私」を「僕」で表記しています。お許し下さい。