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Pacsunのブランド戦略について書かれたBrieane Olsonの著書は、企業がカルチャーを「研究し、売り込む対象」として扱うのをやめ、すでにそのカルチャーの中で生きている顧客とともにブランドを築いていくべきだと主張しています。この手法は「co-creation(共創)」と呼ばれています。わずか1本のTikTok動画が数百万ドル規模の売上につながったという象徴的な事例は、中央集権的なコントロールを手放すことが、従来型のマーケティングキャンペーンよりも本物らしく、力強い成長を生み出し得ることを示しています。
Brieane Olson’s book on Pacsun’s brand strategy argues that companies should stop treating culture as something to study and sell, and instead build brands together with the customers who already live that culture, a model known as co-creation. The book’s most striking example, a single TikTok video that helped generate millions in sales, illustrates how giving up centralized control can create more authentic and powerful growth than traditional marketing campaigns.
Appendix
【Co-creation(共創)】 — A business approach in which companies and customers work together to shape a brand’s products, culture, and direction, rather than the company deciding alone.
(企業と顧客が協力してブランドの製品や文化、方向性を作り上げていく経営手法のことです。この記事全体を貫く中心コンセプトで、Pacsunの戦略のすべてがこの一語に集約されています。)
【Always-on feedback loop(常時稼働のフィードバックループ)】 — A continuous system for gathering and acting on customer input, rather than checking in with customers only occasionally.
(顧客の声を定期的にではなく、常に収集し、それに基づいて行動し続ける仕組みのことです。記事後半で、単発のリサーチでは不十分だと述べられている理由を理解する鍵になります。)
日本語訳
何十年もの間、企業は文化を、研究し、予測し、最終的には消費者に売り返すものとして扱ってきました。ブリアン・オルソンの『Co-Created: The Cultural Strategy That Redefined Pacsun』は、もっと大胆なアプローチを提唱しています。会議室から文化を主導しようとするのをやめ、その文化を実際に生きている人々と一緒にブランドをつくる、という考え方です。
この変化は単純に聞こえますが、企業の運営モデルそのものを変えます。Pacsunでは、共創は単なるマーケティング上のスローガンではありません。
顧客から得た知見は、商品展開、提携、コンテンツ、そして経営上の意思決定にまで反映されています。同社の4つの文化的な柱であるファッション、音楽、アート、スポーツは、広告のテーマというよりも、若い消費者がすでに自分らしさやコミュニティを形づくっている場として位置づけられています。
その考え方を象徴する事例があります。2023年、TikTokクリエイターのLyla Biggsは、フォロワーが約5,000人しかいなかったにもかかわらず、PacsunのCaseyローライズ・バギージーンズをはいて、自室で撮影した何気ない動画を投稿しました。
その動画は瞬く間に拡散しました。Pacsunはブラックフライデー前の48時間で11,000本のジーンズを販売し、そのスタイルはその後、TikTokで2,000万ドルを超える売上を生み出すことに貢献しました。
ここから得られた教訓は、ブランドにはより大規模なインフルエンサーが必要だということではありません。本物の熱意は、綿密に管理されたキャンペーンよりも強い力を持つことがある、ということでした。
Pacsunは同じ考え方を、さらに幅広く応用しました。A$AP RockyやJenners、Formula 1に至るまで、文化的な人物やブランドとの提携は、単にそのコミュニティに向けて広告を出すのではなく、企業自身がコミュニティの中に入ることを目的としていました。
社会的な目的も企業運営の一部となり、十分な支援を受けにくいコミュニティへの投資や、若い消費者が重視する課題に関連した取り組みが行われるようになりました。
オルソンのより大きなメッセージは、ファッション業界だけにとどまりません。変化の速い市場では、経営陣が時折顧客の様子を「確認する」だけで、ブランドの存在意義を生み出すことはできません。常に機能するフィードバックの循環、創造面での主導権を共有する意思、そして聞き取った声にすぐ対応できる柔軟な組織が必要です。
これこそが、『Co-Created』の最も有益な考え方かもしれません。顧客はもはや、プロセスの最後にいる単なる受け手ではありません。顧客自身が、そのプロセスの一部になりつつあります。このことを理解するブランドは、単に文化を追いかけるだけではなく、文化とともに成長する資格を得ることができるのかもしれません。
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