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Cortical Labsの研究者たちは、生きた人間のニューロンとシリコン技術を組み合わせた新しい形のコンピューティングを研究しています。脳細胞が「Doom」のような複雑な環境と関わりながら学習できるかを試すことで、将来的に生物学的コンピューティングを医学研究やAIに似た学習、省エネルギー型コンピューターなどに活用できる可能性を探っています。
Researchers at Cortical Labs are exploring a new form of computing that combines living human neurons with silicon technology. By testing whether brain cells can learn to interact with complex environments such as the video game Doom, they hope to understand whether biological computing could eventually support medical research, AI-like learning, and more energy-efficient computers.
Appendix
【Cortical Labs(コーティカル・ラボ)】 — An Australian biotechnology company developing computing systems that combine living neurons with silicon-based technology.
(オーストラリアのバイオテクノロジー企業で、生きた神経細胞とシリコン技術を組み合わせるコンピューティングの研究を進めています。この記事の実験を行った企業です。)
【neuron(ニューロン/神経細胞)】 — A specialized cell in the nervous system that receives, processes, and sends information through electrical and chemical signals.
(脳や神経系を構成する細胞で、電気信号や化学信号を使って情報を受け取り、処理し、伝達します。今回のシステムでは、人間のニューロンが情報処理の一部を担っています。)
日本語訳
アイスランド、EU加盟交渉に再び「NO」
もしコンピューターに、本物の「脳」があったらどうでしょうか。少し奇妙に聞こえるかもしれませんが、オーストラリアの研究者たちは実際に、生きた人間の脳細胞をコンピューターチップ上に配置し、往年の人気ビデオゲーム「Doom」をプレイさせることに成功しています。
この実験を行ったのは、メルボルンを拠点とするバイオテクノロジー企業、Cortical Labsです。Doomを使った実験では、幹細胞から培養した約20万個の人間のニューロン(神経細胞)をシリコンチップに接続したシステムが使われました。機械と生きた組織が組み合わさった、いわば新しいタイプのコンピューターです。
脳細胞は、チップ上にある微小な電極につながれています。これらの電極が細胞に電気信号を送り、同時に細胞が発する信号を記録します。
実験では、Doomのデジタル空間から得られる情報を、ニューロンが処理できる電気信号のパターンに変換しました。そして、脳細胞の活動を再びゲーム内の操作コマンドへと変換したのです。
Doomは、同社のニューロンが数年前に学習したシンプルなゲーム「Pong」より、はるかに難しい課題です。Pongでは、基本的にボールの動きを追い、パドルを動かせばよいだけでした。一方、Doomは3次元の世界を移動しながら戦い、その都度さまざまな判断をしなければなりません。
もちろん、このシステムはまだ「超人的なゲーマー」と呼べるレベルにはほど遠いものです。システムが操作するキャラクターは何度も倒され、そのプレーは熟練者というより初心者に近いものでした。それでも研究者によると、学習が進むにつれて、敵をより安定して、正確に狙えるようになっていったといいます。
では、なぜわざわざ脳細胞にビデオゲームをプレイさせるのでしょうか。
実はゲームそのものが目的ではありません。これは、生きたニューロンにどのようなことができるのかを試すための実験です。研究者たちは、こうした「生物学的コンピューター」が将来、医薬品の試験や医学研究、さらにはAIに似た学習を行うシステムなど、より実用的な分野で活用できる可能性があると考えています。
さらに、注目されるもう一つの大きな理由があります。人間の脳は、驚くほど少ないエネルギーで非常に複雑な処理を行うことができます。そのため科学者たちは、生きた細胞を活用することで、現在のコンピューターよりもエネルギー効率の高いシステムを作れるのではないかと研究を進めています。
今のところ、こうした脳細胞が人間のDoomプレイヤーと互角に競える日はまだ遠そうです。しかし、研究者たちの目的はゲームの腕前を上げることではありません。彼らが問いかけているのは、もっと大きなテーマです。生きた細胞は、次世代のコンピューターハードウェアになり得るのでしょうか。
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